〈8/31 阪神 4-2 巨人(甲子園)〉
勝:才木
S:岩崎
敗:戸郷
台風に翻弄された1週間。
横浜のカード最終戦が雨天中止。
ロード明け甲子園へ戻っての初戦も中止。
連敗からの二つの中止は、いつもより長く感じたし堪えた。
私はそもそも楽しみも取っておく方ではないし、嫌なことは居残ってでもその日のうちに消化してしまいたい人間なのだ。持ち越したせいで嫌な夢をいっぱい見てこの日を迎えた。(知らんがな)
先発は、中10日空けての才木。
初回、2番の浅野から連打が止まらない。
やっと甲子園に帰ってきてくれたのに、その大事な初戦が才木でこれで、相手は戸郷で、打線はアレで、どう頑張ってみてもプラスのイメージは湧かず、今日の敗戦をどうして処理しようかと考えてた。むしろ前向き。
しかし、敗戦処理中の私を才木のピッチングが引き留める。
この初回、5連打を浴びなお一死満塁という状況だったというのに、2点で食い止めた。32球も費やしてしまったがその後のイニングは徐々に立て直して、試合を作った。梅野の助けは大きかった。
こうなると、「才木が打たれて負けたら仕方ない」モードが効かない。
まずい。
どうしても勝ちたい。
しかしゲームはこのあと両チームとも淡泊な攻撃が続き、終盤が近づく。
2点が重く、ホームが遠い。
そんな6回裏。
2アウトながら森下がチーム2本目、やっとのヒットで出塁。
続く大山が死球で出塁。このときの大山がすごい。当たったのが肘当てのところだったというのはあるにしても、すぐにバッターボックスを離れ静かに一塁へと歩いた。戸郷に生まれた少しの動揺を次の打席の佐藤に譲るように。
そして、佐藤輝明。戸郷の3球目。低めストレートを軽くすくったようなスイング。センターフライかとも思った打球は、台風でおかしくなった甲子園の風に乗ったのか、どんどん伸びてく。
甲子園でノーノーをやった戸郷。この日も打てていない。
3回にあったチャンスもモノにできなかった。
だが野球はわからない。
ボールを追っていた丸が見送った!
レフトスタンドの網にボールが跳ねるのが見えた!
やった!!テルがやった!!
逆転の3ランホームランだ!!!
甲子園の大歓声は、テルがベンチへ戻ってもなかなか収まらなかった。そしてそのまま熱を帯びた応援に変わって、次の右京さん、梅野ともにヒットで続いた。
あと1点を願うタイガースファンが作る渦巻みたいな空気こそが台風みたいで、ちょっと怖いぐらいだった。
マウンドの戸郷は完全に飲まれてた。
そして、木浪がセンターへのタイムリーヒット!欲しかったあと1点が手に入った。
この回、タイガースは天敵戸郷を打ち、逆転し、そしてマウンドから引きずり降ろしたのだ。
才木に勝ち投手の権利がついた!
岡田監督は、7回のマウンドを石井、8回を桐敷に託す。
横浜で岡田監督が珍しく直接二人に話しかけたという。これは期待の表れなんて生易しいものじゃない。
最後までやり切ってもらう、そういう覚悟をしてもらうための、また岡田監督自身の覚悟を示したものだ。
石井は、ピンチも招いたが岡田監督は「0点に抑えたらそれでええ」と揺るがない。
最後は岩崎。走者を出すものの丸をダブルプレーに打ち取って、タイガースが勝利した。
「勝負は9月」。
昨年も今年も岡田監督はずっとこれを口にしてきた。
その季節がやってきた。
[今日のノイジー]
うぉー!先制の2点タイムリーヒット打っとる!(ファーム)