CS敗退。2013年終了。

〈10/13 vs広島〉

1

5点差。9回裏2アウト。

2013年のタイガースは、桧山をネクストバッターズサークルに立たせたまま終わるかもしれない。
そんな状況だった。

野球の神様がいるとしたら、マートン先生がこのCS初のヒットで出塁したところだと思う。
野球の神様は桧山にね、「あとはどうぞ」って笑ってバッターボックスに行かせたんだと思う。

桧山はいつもそうしてきたように、集中して、そして自分で終わらせないと強い意志をもって、バッターボックスに入った。

桧山の名を叫ぶ声で球場が揺れた。
バットを構えるより先に、ヒッティングマーチが始まる。

この一打にかけろ
気合いで振り抜けよ
誰もおまえを止められぬ
桧山よ突っ走れ
かっとばせー!桧山ー!

1球、低いボールを見送る。

ヒッティングマーチは続く。
誰もが桧山の現役最後になるかもしれない打席をこの目に焼き付けようと、必死だった。

ヒッティングマーチ三度目の
かっとばせー!

内角寄りの速球に体が回ってバットが出た!

桧山ーー!!

叫びながら、その放物線を見た。
ライト線、そのボールにはまるで意思があるかのように、ゆっくり、でも迷いなく、ファンのもとへやってくる。
うそでしょ!?ほんとに!?
でも確かに桧山の美しいスイングの残像が残ってる。
もしかして…
ボールがフェンスを越えた!

瞬間、「24」のタオルで顔を覆ってしまった。
いっぱいいっぱい涙が溢れ出た。

桧山のアーチ。

夢を見てるみたいだった。
2011年5月以来の桧山のホームラン。
懐かしい放物線。

桧山の引退試合にもたくさん泣いた。
だけど、もっと、泣いた。
桧山のホームランをこの目で見ることができるなんて、ちょっと思っていなかったから。

10月1日にもタイムリーヒットは打った。
だけど、あの当たりがフェンスを越えることがなくなったから引退するのだとも悟った。

なのに、最後の最後に、本当に泣かされた。
桧山のその手には一生忘れない感触が残ったことだろう。
それが本当に嬉しかった。

試合後、桧山コールが鳴りやまなかった。
カープファンで真っ赤に埋め尽くされたレフトスタンドからも巻き起こった。
そしたら、桧山は挨拶に出てきて、何度も大きく手をふった。
そしてライトスタンドの芝に
ぽんぽんぽん
って手をつけて、お別れをしていった。

2

頑張れ頑張れカープ!
ライトスタンドからレフトスタンドにエール。
東京へ行くのはタイガースであってほしかったけど、その思いはカープへ託すしかないからね。

一年が終わりました。勝った試合も負けた試合も、毎日野球を観るのが楽しみでした。

応援にすらなってない日記もいっぱい書きましたけど、最後までお付き合いくださって、みなさまどうもありがとうございました。

2013年のタイガースが、新井さんの空振り三振で終わったことも忘れません(笑)
明日からはまた新井さんとタイガースを猛烈に応援するぞー!!

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