(最終回です!)
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目が覚めたのは、上司からの電話が鳴ったからだ。
ゲェェーー!!
今何時!?
動転するアタマで時計を見た。
もうお昼だった…
どうなんでしょか。
普通、朝の始業時間を過ぎて来ないとなるとすぐ連絡してくるってのが、カイシャってもんじゃあないんでしょうか。(逆ギレ)
上司の第一声は、
「出られたか?」
だった。
会社では、私が甲子園で飲んで暴れてつかまって、留置されていたことになっていた。
午前中はどうせ無理だと配慮したのだと。
なんでや…
ああぁっ!!!!
そういえば昨夜、電話してきてたヤツがいたんだった。
あの野郎…
(=_=#)
だけど私には反省するしかなかった。
寝坊は自分の責任なのだ。
「マルモクになった日は寝坊に気をつける。」
これを教訓として生きていこう。
失敗から学ぶ、これ大事。うん。
1週間後―
私たちマルモクコンビは、また甲子園にいた。
1週間前のアノ日と同じ座席だ。
「自分の仲間のトラブルで」と申し訳なさそうにしてくれていたNさんが、お詫びに、とチケットを奢ってくれたのだ。
今日こそ、最後まで野球観るぞー!
(v´∀`)ハ(´∀`v)☆あはは~♪うふふ~♪
↓
2回表、雨天ノーゲームとなった。
・・・。
こんなことってあってええんか。
野球観たいだけやぞ。
それがこんなに叶わへんってなに。
2号といるとロクなことがない。
…といった主旨のことをそのまま2号に伝えて、2号にも同じことをそのまま言われて、お互いのズブ濡れのひどい有り様を笑いながら、こんなときどう考えても細すぎるマフラータオルで拭いた。
最後まで野球を観られるということは、幸せなことなんだって気付いた。
そんな夏のお話でした。
(終わり)
え!
そんな話やったっけ!?
…体を拭きながらゲートを出てしばらくすると2号が、赤いランプの灯ったある場所の前で止まった。
(ってまだ終わってないんかい)
球場にある警察官の詰所だ。
2号はそこへ当たり前のように入ってった。
まるで出入り業者の振る舞いだった。
「リップ返してもらってん♪」
?
なんやろ…証拠品かなんか、あったっけ。
あの日の帰りの車内で落としたそうだ。
喋り過ぎてカラカラなってたからそういえば塗りたくってた。
わざわざそれだけのものを、わざわざ警察へ電話をして、ここで引き取れるように段取りしたそうだ。
「返してもらった」んちゃうやん。
自分が落としたんやん。
一番迷惑かけたん、結局うちらやったわ…
<オマケ>
マルモクになる前のあの日の景色。
銀傘がまだ小さい!
(終わり☆)