【回想録】マルモク日記!(8)

(*7のつづき!)

一度ほっかほかに暖められた室内は、なかなか元に戻ることはなかった。
元の室温に戻ったところで、熱帯夜なのだ。
スタンドにいれば、心地よい風を感じていたかもしれない…
はぁぁ…試合、どうなってんのかな…

さて、驚くことに「調書」は、手書きであった。
お巡り氏による、一字間違えては一から書き直すという、恐ろしい作業が繰り返された…。
いや正しくは、私が言い間違えては、それを2号が指摘して、そして書き直しになるという…そんなスパイラルだ…
やっぱり私はここに来るべき人間ではなかったのだ!

2号に、
「私帰っていいかな?w」
そんな問いかけばかりしては、無駄に笑っていた。

暖房の余熱もあって、喉がカラカラに乾いていた。
お巡り氏が、調書を書き直している間も、お茶も出ないのね…と小姑のようなことを思った。
あぁ、そのままチクリと言ってやればよかった。

試合は何回だったんだろう?
そんなとき同じ職場のトラキチから、携帯に電話がかかってきた。
タイガースファンにありがちな、いつも調子のいいことばっかり言ってるふざけた野郎だ。
ん?私なんかいらんこと言った?(笑)

長机からちょっと離れて電話に出た。

野郎「おー♪れーこちゃーん!
今日行ってるんやろー!?
ものすごええ試合やんかー♪♪♪」

声デカッ!
(~_~;)

れ「ええ、まぁ…(ボソボソ)

野郎「え?どうしたん?行ってないの!?」

れ「いや、行ったけど、今、ちょっとケイサツ…

野郎「あっ…そうなんや、あっ、じゃ、また。(プチッ…プープー…)」

……
なっっ!?!?
なにが、「あっ…そうなんや」なんや…!?
人の話最後まで聞かずに切ったぞ?
ったく、間も悪いし失礼しちゃう電話だ。プリーッ!
2号がこの間の悪さと、あまりの野郎らしさにバカウケしていた。2号もこの状況に飽きてきて笑いに飢えているのだ。

お巡り氏は、私たち1号2号の心がすっかり調書から離れ去っても、汗を拭きながら頑張っていた。
聴き取るべきことの多いお巡りさんのはずが、いつしか、私たちから「いつ帰れますか」の質問波状攻撃にあっていた。
大変な商売やな…
「パトカーで送ってくれるとか…」も時折混ぜておいた。しつこ!

私たちのチャチャのせいだろうか。
終電の時間が本気で迫ってきた。
試合なんてとっくに終わっている。
勝った。勝利投手は三東。おめでとう!

だけど…終わらない調書…
明日じゃだめなんかね。
ぶつぶつぶつぶつ…
お巡りさんは、あと少しというところまで出来てきた調書を仕上げたかった。すると席を立って、向こうにいるお巡りさんと何か相談して、そしてすぐ戻ってきた。
「送るから、あと少し協力してほしい」と。

っしゃー!
れ「パトカー!!

巡「ではないです。

む。
ただの乗用車だって。
そんなら、電車で帰りたいよ…

終電の時間が過ぎた。
それからほどなくして、やっと調書が完成した!
書いているものを目にしながら、お巡りさんが一から読み上げて、やっとこさ待望のときがやってきた。

\調書にサイン/
\(^o^)/

(つづく)

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