(つづきモノです。まだつづく…!)
夏の夜の警察署は暑かった。
さっきからちょいちょい絡んでくる、ただのおっさん(注:お巡りさん)が、気をきかせてか、自分のためか、間違いなく後者だな、、、「暑いな!ちょっとクーラーつけよか」と言った。
まぁ素直にそれはありがたかった。
さて、ここで一度「事件」の成り行きを簡単にご説明しておこう――
カープが負けていて、タイガースファンが大喜びしていた。
「マルヒ」2名、禁煙のスタンドでタバコを吸っていた。
「マルガイ」2名のうち一人が、それを注意した。
しばらくして、「マルヒ」は「マルガイ」に殴りかかった。
「マルガイ」が発した言葉の何かが気に入らなかったのかもしれない。
(そこは聞いていないのでわからない)
両者アルコール摂取済み。
んー…。タバコはいかんねぇ。
しかし、事実はこれだけのことだ。
これだけのことがどうしてあんなに長い事情聴取になるんだろう…そしてマジで暑い…
長机に、マルモクコンビ2人並んで座らされ、そして、向かい側に、私たちの担当お巡りさんが座って、白いA4用紙を広げて、私たちに質問しては、汗を拭いながらその紙に書き取っている。
この、マネージャーのごとくずっと一緒のお巡りさんに対しては、私たちは微塵の緊張もないのだ。知り合いのおじさんに、「形だけ」といって受けさせられているバイトの面接程度のもんだ。
A4用紙には、座席の見取り図を書いたりしていた。マルヒの座っていた場所、私たちの座っていた場所などなど。
マルヒ仲間の座席には、「前田」や「シーツ」などの名前が並んだ。
マルヒたちが着ていたユニフォームだ(笑)
もちろんあとの清書で、AとかBとか記号に置き換えられてしまうのだけど…
余談だが、シーツ先生はその頃まだ広島にいた。懐かしい♪
…はさておき(笑)、不名誉なことに案の定、「前田」や「シーツ」は、加害者側の名前として、幾度となく登場することとなった。
「タバコを吸って注意されたのがシーツで…」とかそういった使い方だ。
ひどい話だ(笑)
事情を説明して、それをお巡りさんが下書きとして書き取っていき、それから「調書」を作成して、私たちがそれに署名する、というのが、流れのようだった。
しかしお巡りさんには困ったことがあった。
「それは何時何分頃のことですか?」と尋ねても私たちには絶対に、答えられないからだ。
何を聞かれても、
「桧山の3ラン出たあと」
とか
「嶋がホームラン打ってその裏、あ、4回裏!満塁になったとき」
という表現しか出来ないのだ。
調書は、「○時○分、なんやらかんやら…」と書くから、時刻がないと困るらしいのだ。
だからといって、見てもいない時計の時刻を言えと言われても…
それに、それぐらいわかる手段などいくらでもありそうに思えた。
パソコン開いたら、なんなとわかるのではないか…なぜそれをしない。
ていうか、球場に聞くとかできないのかね。
そして、この部屋ほんま暑い!
お巡りさんは吹き出る汗を、ハンカチで押さえ込み、私たちもうちわであおいだりしていた。
それにしてもこの暑さはなんだ…
もうろうとする意識の中で、やってもいない罪を自供してしまうと聞くが、これのことか…
いや、ちょっと違う…
クーラーつけよ、と言ったあのおっさん(お巡りさん、いやもうおっさんでいい…)が、ニヤニヤして言いにきた。
「間違って暖房つけとったわ、ははは!」
……。
(-“-;)プチーン
誰か…
今すぐこのおっさんを逮捕してくれ…
この真夏のクソ暑いときに、お客さんを夜遅くまで引き留めて挙句に暖房入れたって、それ、笑ってすませようなどと…
もー!!帰りたい!!!!