阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | X | 1 |
昨年8月にヴィッセル神戸の応援番組について書かせていただいてから7か月以上コラムの更新を一切せず申し訳ございません!今年はもうちょっと書くことができれば…。あまり期待せずお待ちください…(汗)
2021年シーズンも始まり、『サンテレビボックス席』も3月30日の試合から年間50試合以上、もちろん今年もプレーボールからゲームセットまで放送させていただきます!みなさまどうぞよろしくお願いいたします。
3月30日から4月1日にかけて行われたマツダスタジアムでの広島vs阪神の3連戦はすべて『サンテレビボックス席』での中継となりました。私自身も3試合とも中継車Dを務めさせていただきましたので、その試合から振り返らせていただきます。
今年一発目の中継となった3月30日の試合ではやりたいことが一つありました。それはカープの本拠地・マツダスタジアムの外観を映すということです。ご存じのとおり『サンテレビボックス席』ではビジター球場から中継をさせていただくことも多いのですが、たいていは映るのはグラウンドの中やスタンドに座るお客さんの姿であり、スタジアムの外側が映ることはまずありません。
なかなかビジター球場へ足を運ぶことが難しいこのご時世で、少しでもマツダスタジアムがどういうスタジアムなのかを視聴者の方々へ感じていただきたい、と思い外観の収録を行い、放送の中にVTRで流しました。放送の中では2回、トータルで20秒近く流れました。ただ、カメラさんには色々な場所からたくさんのカットを撮っていただき(この時期にしか咲かない桜の木と絡めた映像も頑張って撮ってくれました!)、その映像からVTRさんに編集をしていただいています。思っているより時間はかかっているわけです。
球場撮影のため、普段は通らない場所をカメラさんと歩いていると、新たな発見があります。マツダスタジアムへ一度来られた方はわかると思いますが、JR広島駅から線路沿いにスタジアムへ向かう道「カープロード」から外野席へ向かうスロープの隣には室内練習場があります。その壁沿いにはカープのこれまでのリーグ優勝のシーンのパネル写真などが大きく貼りだされているのです。元々はカープロードからスタジアムへずらりと向かってくるお客さんの様子だけを撮影しようと思っていたのですが、そのパネルの中にカープの選手たちに胴上げされている緒方孝市前監督の写真がありました。この日の『サンテレビボックス席』では、その緒方さんが解説初登場だったのです。元々1回裏の前の放送席出演者紹介の前に外観のVTRを流すつもりでしたので、緒方さんのパネルの映像から放送席の紹介に移ったらベストなのでは、と思いその映像を撮っていただきました。カメラさんと「やはり歩いてみたら、ちゃんといい場所があるもんですねぇ」とお互い満足のいく撮影ができました。マツダスタジアムは中も他の球場とは違ったレイアウトや、見所も多くまさにボールパークです。またあちこちに移動しやすい時期になれば、ぜひ足を運んでいただければと思います。
さて、この日の試合はタイガース・西勇輝投手とカープ・森下投手の投げ合いとなりました。試合前からこの二人中心に展開していくだろうとの打ち合わせをしていましたが、まさにその通りです。神宮球場でのスワローズとの開幕3連戦では打ちまくったタイガース打線も、この日の森下投手の緩急があり、コントロールも良い巧みなピッチングを前になかなかチャンスを作れません。西勇輝投手もシュートなどの変化球をうまく使いながら、相手打者の内外に厳しい球を投げ、7回を1失点に抑える最高のピッチングでした。
マツダスタジアムでの中継は、甲子園球場とは若干カメラ位置が異なり、違った見せ方ができます。甲子園球場の⑦カメは、マツダスタジアムでは⑥カメとなるのですが、位置は①カメと同じバックスクリーン付近からの撮影となります。そのため、ピッチャーの手元のアップからボールを追い、バッターが打てば打球をフォローする、という撮り方になります。ということは、球の握りがわかり、どういう変化球なのかがスローVTRではっきりと見えます。(京セラドーム大阪での中継も同じ位置に⑥カメがあります)
また、バックスクリーンのスコアボードの下に、「ハイセンター」という無人カメラもあります。中継のメインカメラ①カメはキャッチャーの真正面の位置にはありません。「ハイセンター」カメラではできるだけキャッチャーの真正面に入り、ピッチャーとホームベースとキャッチャーが一直線に見えるようになっています。このカメラで見せられるのは、ピッチャーがバッターの内角や外角にどれだけ厳しいコースで投げられているかということです。(ナゴヤドームでの中継もハイセンターカメラがあります)
西勇輝投手や森下投手のような、変化球を投げ分け、また、コントロールの良いピッチャーであれば、こういった⑥カメやハイセンターカメラは大活躍です!試合前にもVTRさんとは良い投手なので、投球間にはこの2台のカメラを使った良いスローをどんどん出しましょう、という話をしていました。例えば西勇輝投手が菊池選手の内角ギリギリに素晴らしいシュートを投げたとします。投球後に中継車Dは即座に「ハイセンターいきます!」とVTRさんとスイッチャーさんに伝えます。投球後の3秒後にはそのスローVTRが頭出しされて流れます。同様に森下投手のカーブがマルテ選手の空振りを誘ったときには「⑥カメのVいきます!」と伝え、それが流れるという感じです。
VTRさんは毎試合2人で、役割分担しながら常に編集をしています。VTRさんのVTRを用意する早さはまさに職人芸です!いつ中継車DがVTRにいくかわからないのに、すぐに対応してくださいますし、ホームランのあとのVTRなどでは、「こんな良いVTRもあるよ!」とすぐに見つけて教えてくれます。試合の合間に、もちろん生中継ですので、生の映像(本線)でいかに良い映像を撮るか、というのが大事ですが、同時にそれだけでは見えていなかったVTRも私は非常に大切にしていますし、それを効果的に使うのが中継車Dの真骨頂では、とも思っています。タイガースが勝ったときの中継のエンディングで流れる1分ほどのVTRも、どんな試合でも編集をして下さっています。試合の合間に他の仕事もしながらですよ!マルチタスクがすごすぎます!
「かっこいいエンディング」ということでタイガースファンの間でにわかに有名となっておりますが、今年もVTRさんの渾身の「かっこいいエンディング」が多く見られる試合が中継できればいいなと本当に思います!
次回は4月1日の同じく広島vs阪神の一戦を振り返ります。お楽しみに!