6月19日の開幕が近づいてまいりました!「野球を観たい!」と思われていた皆さまにも、サンテレビスポーツ部の我々にとっても待ち遠しい気持ちがあるでしょう。もちろんまだまだ新型コロナウイルスの影響は終息しているわけではありませんので、しっかりと対策を練ったうえで、我々も取材や中継を行い、皆さまへ楽しい中継をお届けできるよう頑張ります。
先日の『熱血!タイガース党特別編~みんなでのりこえよう~』では、番組終盤のVTRで歴代のタイガースの選手たちの活躍をまとめたものをご覧いただきました。最後のカットにはラッキー7の風船あげの様子がありましたが、しばらくはこの光景は見られません…。無観客の中で行われる試合になります。
開局以来何千試合も中継を行ってきた我々も無観客試合の中継というのは初めてになります。既にインターネットや他局の中継などで、無観客で行われる練習試合を観ましたが、「いざ自分たちが中継するとどういうかたちになるだろう?」と考えを巡らせています。
昨年の9月22日に甲子園球場で行われたタイガース対ベイスターズの中継を最近あらためて見直しました。“奇跡の6連勝”のうちの1試合です。勝つしかない状況のタイガースが、5回ウラに勝負をかけた矢野監督が鳥谷選手を代打に送った場面でのことです。私がその試合の中継車Dを務めていました。ご存知のとおり、この時点では鳥谷選手がタイガースを退団することが発表されていましたので、甲子園球場のお客さんは「代打・鳥谷」がコールされるとひときわ大きな歓声を上げます。
その試合までに何試合か中継があったときにも、鳥谷選手の打席では雰囲気を盛り上げるカットが多く撮られていました。もう色々なパターンをやり尽くした感じもありましたが、この日は甲子園球場に詰めかけたお客さんが鳥谷選手に声援を送ることにフィーチャーしたカットを多く映しました。もちろん鳥谷選手もいつもよりアップして映します。
鳥谷選手が打席に入るだけで涙を流す方もおられます。お客さん一人ひとりに鳥谷選手に対しての想い・ドラマがあるのです。もちろん鳥谷選手自身にも強い想いはあるでしょう。球場で鳥谷選手を応援する方に、テレビをご覧になって下さっている方々にも自身の想いをそこにのせて下されば、鳥谷選手へ気持ちが届くはずだ、と思いました。
そういう思いは現場のカメラマンたちにも伝わります。様々な場所のカメラが多くの良い表情をした方を撮ってくれました。気持ちは届きました。鳥谷選手の先制タイムリーです!この打席で球場のムードは最高潮!試合にも勝利することができました。
もちろんヒーローインタビューのお立ち台には鳥谷選手の姿が。今思うとタイガースのユニフォームを着た鳥谷選手が直接ファンへ声を届ける、というのはこれが最後でした。ここでも多くのファンが鳥谷選手の声に瞳を潤ませながら聞き入る姿が多く見られました。
この試合からでも分かるように、ファンの方々というのは中継にとって欠かすことができません。映像だけでなく声援などの音に関してもです。今盛り上がっているところなのか、じっくりと観るところなのか、タイガースが打ったときに選手以外はどういうリアクションをとっているのか、などです。例えばリクエストの結果を待っているときの何とも言えない雰囲気もまた違ったものになるはずです。
メインキャストの一つであるお客さんというものが無い中継をどう盛り上げるのか、選手たちの表情がより多くなることが予想されますが、現在鋭意検討中です!ぜひどうなるのか、ご覧いただければと思います。
今年の『サンテレビボックス席』のスケジュールも序盤のカードが発表となりました。今後のコラムですが、他の中継や番組のことについても随時書かせていただくのはもちろん、今シーズンの『サンテレビボックス席』の裏話なども書ければと思います。更新のペースは若干落ちるかもしれませんが、今後もお楽しみに!