配属からしばらくして、いよいよ『サンテレビボックス席』の中継に関わる瞬間がやってきました。はじめは本社ディレクター(以下本社D)としての勤務です。
そもそも本社Dというのは何をしているのでしょうか?その前にサンテレビ本社には2つのスタジオと3つのサブ(副調整室)があります。
『4時キャッチ』や『ビッグ・フィッシング』『熱血!タイガース党』などの番組を収録している第1スタジオとそのサブ(L1サブ)、『サンテレビニュース』などのニュース用の第2スタジオとそのサブ(L2サブ)、そして、スポーツ中継のときに使うL3サブです。
L3サブ
通常の番組では、サブと言われる部屋ではメインのディレクターやカメラさんに指示を出すスイッチャーさん、音声を調整している音声さんやBGMなどをつけるSEさん、照明ディレクターさんや、画面の明るさや色味を調整するVEさん、など様々な役割があります。
ただし、スポーツ中継の場合、現地の中継車がサブのようなものですので、L3サブにはディレクターとスイッチャーの2名、あとはそれぞれの字幕スーパーを更新したり準備したりするスタッフ4名がいるのみです。
ということは、本社Dの仕事の主なものは、スーパーのイン・アウトの指示をスイッチャーさんに出すということです。野球中継で出されるスーパーはこのようなものがあります。
・その日の試合会場や、実況&解説の名前スーパー、その他番宣など
・常時出ているスコアと何ボール何ストライクで何アウトかの表示(小得点&BSO)
・CMの前に出るランニングスコア
・ピッチャーの球数表示
・打者や投手の今季成績やその日の内容、プロフィール
・順位表や他球場の成績、明日の予告先発投手
これらのスーパーを中継車ディレクターらとやり取りをしながらいつ出すのかを判断し、その表示しようとしているスーパーが間違っていないかどうかを確認したうえで画面に載せます。
普段何気なく目にしているスーパーも、実はどういうときに入れて(イン)、どういうときに外すか(アウト)、『サンテレビボックス席』の中でもルールがあります。
例えばタイガースの近本選手が打席に立つとします。初球までの間に一度近本選手のアップが映りますよね。そのときにカメラさんが近本選手をあるサイズで撮っていればその日の成績のスーパーを載せる、といった具合です。
おもいっきり顔をアップしたようなサイズや、頭から足まで全身が映っているようなサイズ(FFといいます)ではそのスーパーは載せません。どのようなサイズのときにスーパーが載っているのか。中継をご覧になる際にはぜひ注目してみてください。
このように、それぞれに決まったタイミングがあってそのスーパーをイン・アウトする、というのは単純なようでなかなか気を遣います。
「本当にこのタイミングでいいのかな?」
「このスーパーは間違っていないだろうか?」
初めて本社Dを務めた試合では、スーパーを入力してくれるスタッフと確認をしながらスイッチャーさんに指示を出すのは特に緊張しましたし、正直言うと出すタイミングを間違えてしまったこともあります。間違わないように気を引き締めて今後も中継を行います!
本社Dのお仕事のもう一つに、「CMボタンのテイク」というものがあります。これがまた緊張するんですが、それはまた次回に書かせていただきます。お楽しみに!