神戸の教訓を熊本で 家族を守るために

5月29日(火)の特集で熊本県大津町にある洋食店 神戸浪漫ハイカラ亭の杉水さんをご紹介しました。

神戸浪漫ハイカラ亭 熊本県菊池郡大津町大字大津1093
096-294-1522 定休日:月曜日


写真右が杉水満さん

ふわとろで3つのソースが絡み合う神戸オムライスは店のナンバー1メニュー。私も食べましたがとてもおいしかったです。


神戸オムライス 税込890円

店のカウンターには、阪神淡路大震災が発生した時刻5時46分で止まったままの置時計があります。マスターの杉水満さんは、23年前、神戸・元町の洋食店で修業をしていました。当時、神戸市東灘区で暮らしていて、阪神淡路大震災でアパートが全壊。タンスや天井に挟まれるもなんとか助かりましたが、奥様・ミチ子さんが犠牲になりました。同じ部屋から見つかったのが、ほぼそのままの形で残っていた置時計でした。

壊れた神戸の町を見るのが苦しかったという杉水さん。故郷の熊本に戻り、震災の翌年、念願の洋食店を開きました。亡くなられた奥様とは、将来店を持とうという話をしていたそうです。

「今まで生きてきたことが走馬灯のようにばっと流れてくる時計なんです」

自分の原点に戻るという置時計。杉水さんは、店のカウンターに置くことにしました。お客さんからこの時計は何ですかと聞かれると、震災について語ることもあるそうです。また、地元の小学校でも防災について講演するなど、今でも震災の教訓を伝え続けています。

杉水さんは、再婚し2人の娘さんに恵まれました。

「大切な家族を守る」

2016年に熊本で再び地震を経験。杉水さんにとって、熊本地震は阪神淡路の教訓が生かされた地震でもありました。大津町では、震度6強を観測し、1500棟以上が全壊、または半壊。家族はクローゼットや洋服タンスの前で寝ていましたが、店も自宅も至る所で家具や電化製品が針金などでしっかりと固定され、誰もけがをしませんでした。

特集「神戸の教訓を熊本で 家族を守るために」

阪神淡路大震災で亡くなられた方の死因の7割以上が建物や家具などによる圧死・窒息死でした。テレビが真横に飛んできたという話も聞いたことがあります。このブログを書くにあたって私の自宅を振り返ってみたところ、食器棚はL字金具を付けていましたが、食器棚の向かいの冷蔵庫に突っ立て棒が必要だと感じました。家屋の耐震診断や耐震補強はもちろんですが、家族を守るために今からでもできることがあります。まずは、家具や家電など重たいものにL字金具やチェーンなど取り付けてみてはいかがでしょうか?

This entry was posted in 火曜日. Bookmark the permalink.