元気あおもり応援隊 青森の魅力を関西に発信!

この度、「元気あおもり応援隊」に就任しました。首都圏、名古屋圏、大阪圏、福岡圏に住む青森県と関わりのある人で、青森県の魅力のPRや県勢発展のための意見・提言、情報提供を行うお手伝いをする役割です。私は兵庫県洲本市出身ですが、2007年4月~2015年3月までの8年間、青森の放送局でアナウンサーとして働いた元青森県民です。このご縁を大切に、兵庫と青森を結ぶ懸け橋になれたらなと思います。

 さて、少し遅れて夏休みをいただき、9月下旬、家族旅行で青森に行ってきました。1週間ほど滞在したのですが、このうち2泊宿泊したのが青森県八戸市の洋望荘(ようぼうそう)です。宿泊施設を兼ねたレストラン(前日までの完全予約制)で、無添加、自然食にこだわっています。オーナーシェフの佐藤一弘さんは、漫画「美味しんぼ」や全国ネットのテレビ局でも何度も紹介されているほか、包丁を使った切り絵や野菜細工を世界各地のイベントで披露しています。また、息子の元重さんは子どものころから寿司を握って父のお手伝いをしていたことから「八戸の寿司王子」とも呼ばれ、メディアにも取り上げられました。


(提供:佐藤一弘さん)

 私が洋望荘の佐藤一弘シェフと知り合ったのは、2011年3月の東日本大震災がきっかけでした。被災3県(岩手・宮城・福島)という言葉がありますが、北海道も茨城や千葉にも大きな津波が襲い、青森県内でも死者3人、行方不明者1人、住家の全半壊1009棟、被害総額約1341億円と甚大な被害がありました。私はこの日、スタジオのアナウンサーとして避難の呼びかけを担当しましたが、青森県全域が長時間停電していたため、ほとんどの人がテレビを見られない状況だったことに、無力さを感じたのを覚えています。また、どうしても被害が他のエリアと比較され、青森の被災地がなかなか全国ニュースにならなかったことから、なんとか情報をローカルで頑張って、さらに全国へ発信していかなければと奮闘していました。私がドキュメンタリー番組の制作に積極的に携わるようになったのもこの東日本大震災がきっかけです。

(提供:佐藤一弘さん)
 
 洋望荘は、三陸復興公園・種差海岸が一望できるオーガニックレストランです。東日本大震災では、青森県八戸市にも津波が襲い、海のそばの洋望荘も被災しました。家族は高台に逃げて無事でしたが、冷蔵庫やワインセラー、ガスオーブンや調理器具など大切なものが壊れたり流されたりしました。一弘さんは、「もうお店は再開できない」と諦めることを考えたそうです。しかし、友人やボランティアの人など多くの人が支えてくれ、涙を流しながら「頑張ってください」と勇気づけられたこと、そして、何よりも息子の元重さんが「店をやりたい」と言ったことで、再開に向けて前進。多くの人の支えによって、震災から半年後には再開にこぎつけました。

 洋望荘のこだわりは、添加物を一切使用しない自然食。天然の魚介類を仕入れ、野菜も農薬を使わない自家製、旬のキノコも親子で山へ採りに行きます。味噌も手間暇かけてつくった自家製です。海の幸、山の幸に恵まれた場所だからこそ、その時期に合わせた旬の料理を仕入れて提供してくれます。



 
 お店の目の前は、太平洋という豊かな漁場が。朝早く起きれば、きれいな日の出を見ることができます。佐藤さん親子が釣りに出て、活き造りを出してくれることも。「イナダを釣ってきます」と宣言して、本当に朝ごはんに出てきたので驚きました。


 皆さんは焼き干しラーメンを食べたことはありますか?焼き干しとは、魚の頭や内臓を取り除いて、炭火で焼いて天日乾燥させてできるもの。煮干しと比べても濃厚な出汁が出ます。青森の焼き干しラーメンは、イワシが使われていて、青森のラーメンの代表格です。洋望荘では、自家製の手打ちラーメンやパンも楽しめます。

 厨房に立つのは息子の佐藤元重さん。私が取材していたころは中学生でしたが、成長して大人になっていました。調理師免許を取得し、父一弘さんのもとで日々修業しています。様々な料理教室も開かれているそうで、私の家族もいくつかレシピを教えていただきました。洋望荘は、前日までの予約制です。冬季休業のため、ことしの営業はあとわずかですが、青森に観光に行かれる際、ぜひ宿泊して料理を堪能してはいかがでしょうか?ちなみにお風呂は青森ヒバで、佐藤さんのてづくりです。

洋望荘
・青森県八戸市大字鮫町字遥望石13(JR八戸線種差海岸駅から徒歩10分)
・0178-38-2431(11月~4月は冬季休業)
・完全予約制

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