高橋遥人1009日ぶり一軍のマウンドへ!

〈8/11 阪神 4-0 広島(京セラドーム)〉

勝:高橋
敗:九里

「阪神タイガース スターティングピッチャー 高橋遥人!」

スタジアムMCの久世サトシさんのコールが球場内に響き渡る。
いつもワクワクさせてくれる力強くて素敵な声が、今日は一段と頼もしく、そして、このコールでなんだかもう泣いてしまった。

満員の観客の視線の先はただ一点、マウンドの背番号「29」へと注がれ、惜しみない拍手が沸き起こった。万雷の拍手とはこのことだ。
テレビの前、私も拍手を送った。

高橋遥人が帰ってきた。
二度の肘の手術に加え肩と手首の手術。
最後の登板から実に1009日ぶりとなった一軍のマウンド。
遥人自身、不安がないわけもなく、そしてそれは見守った多くのファンも同じだったのではと思う。

投球練習から、1球投げては丸めた手を口元へやり息を吹き、またプレートを踏む。3年前と変わらないこの仕草に、遥人が帰ってきたんだと胸がいっぱいになる。

復帰登板の第1球は、148キロのストレート。
このストライクにまた大きな拍手が起こった。
この感覚を逃がしたくないのか、またすぐ手に息を吹いて2球目を投げる。
テンポの良さも、あどけない表情も変わってない。
先頭バッターを空振り三振に仕留めると、マウンドの周りを大きく回った。
この一つ目のアウトがどれほど嬉しかったか。

そしてこの注目の初回、ヒット1本は許したものの全て三振で3つのアウトをとった。
初回をまずゼロで終えたことは早くもこのゲームのハイライトになった。

しかしあの頃のピッチングにはまだあと少し届かない。左腕に今も残っているというプレートの影響もあるのだろう。

4回表、味方のエラーから満塁のピンチを招く。
しかし、九里の代打石原を空振り三振。仲間もチームも救った。
石原に最後に投げたのはスライダー。バッターが膝をついて空振りしてしまうほどのキレは離脱前のものと同種だった。
この早いイニングで勝負に出たほど新井監督が感じたわずかな勝機も、遥人は力で抑えた。

ベンチは無理をさせることなく5回で交代させたが、素晴らしいピッチングだった。
89球、奪った三振は7。無失点でマウンドを次へと託した。

今日は、遥人のことだけ書いていたい。そんな気分だがそういうわけにもいかない。先制点、中押し、ダメ押しと、常に試合を優位に運ぶ援護をした打線があるからだ。

初回、先頭近本が長打で出塁すると、森下と大山がタイムリー。
遥人が踏ん張った4回のその裏、先頭の右京さんのソロホームランで3点目。これが大きかった。
さらには8回裏、勝利を確実にする大山のホームラン。

6回からは、石井、桐敷、ゲラ、岩崎で鉄壁リレー。

家族やOB選手が遥人の復帰登板の応援に駆け付ける中、「遥人のために」チームメートがひとつになって勝利を運んだ。梅ちゃんも遥人を引っ張ってくれてありがとう!

セーブのつかない場面でもマウンドに上がった岩崎から両手で受け取ったウイニングボール。
サンテレビの放送席では、解説下柳さんが「ウルウルした」と言い、さらにはもう一人の解説狩野さんと一緒になって「ホッとした」「鳥肌が立った」「お立ち台は遥人ひとりがいい!」
うるさい(笑)

誰もが高橋遥人の復活と1025日ぶりの白星を自分のことのように喜んだ。

正直に言うと私は、今日は勝敗関係なく、ただ遥人が自分のピッチングさえできればいいと思って見てた。
先の見えないリハビリの期間、本当に本当に長かったし、そのブランクからの登板は言い表せないプレッシャーがあったと思う。

だめだずっと涙が止まらない!
おかえり遥人!
鼻かみすぎて痛い!おわる!(笑)

[今日のノイジー]

坂本をよろしくな!少しだけな!

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