最終戦。福原ありがとう!

〈10/1 阪神 6-0 巨人 (甲子園)〉
:岩貞
:大竹

1

「次回の試合」は空欄。
この日が今年最後の試合。
福原の現役最後の試合。

試合前、福原の二人の息子さんが始球式を務めた。
福原も息子さんたちも笑顔だというのに涙腺が緩んでしまう。

先発するピッチャーには、「投げたくないから完投してこい」なんて冗談めかしてハッパかけておきながら、ブルペンでは嘔吐するほどのプレッシャーを自分にかけて準備していた。
ストレートの球威を増して復活を遂げたピッチャーなんて見たことがなかった。福原はタイガースファンの誇りだった。
人に気を使わせない気さくな人柄で、ファンにも自然体で応じたキャンプ中の姿も思い出される。

2

福原の名前がコールされ、金本監督が自らマウンドに上がってボールを手渡した。
投げたのは3球。全てストレートだった。躍動するフォームは長い二軍暮らしにも変わっていなかった。
あとを継いだのは安藤。先発、リリーフ…現役生活の長い時間、優勝もしたけど、ひどい野次を受けるような辛い時間も共にした。お互い抱き合いたいのを堪えたか、背中と胸を叩いて、福原はマウンドを降りた。

3

ありがとう!福原!ありがとう!
声にならない声で福原に言った。

4

胴上げは、涙でほとんど見えなかった。
戻ってくるとずっと思ってたし、引退するなんて夢にも思ってなかった。
残念でたまらない。なんで引退なんだよう・・・
能見や藤浪の涙、そしてあの福留が人目はばからず号泣していたのにはやられた。

本当にね、引退は寂しいけれど、最後の試合は、いい試合となりました。

スタメンボードには、広陵高校の後輩、上本と俊介の名前。
ジャイアンツ先発が右の大竹にも関わらず、だ。
粋な計らいだと感激したが、福原が投げた8回表には二人とも既に交代していていなかった(笑)
そう、広陵高校の大先輩である金本監督には、この日やらなければならないことが他に山ほどあったのだ。

福原の引退登板。
岩貞の10勝。
安藤の50試合登板。
植田海と望月の一軍デビュー。
これに加えて、福留が福原のために守りたいと言い出したものだから…!(笑)

まず岩貞。
勝って福原に繋げなければならない。自身の10勝もかかる。プレッシャーのかかる登板だったし、序盤は力入りすぎたかピンチもあったけど、7回6安打無失点の堂々のマウンド。
初めて1年間ローテーションを守り抜いた、その証しとなるようなピッチングだった。
打席では、バントもできるようになった。ものすごく時間かかったけどもw

それに9回、ルーキーの望月がデビュー。
近づく試合終了…福原との別れ…。そんな中にあってスタンドのファンにどよめかせた。
「速い…!」

6回に代走で出場した植田海は拍手で迎えられ、そしてけん制の後の岩貞への初球に走った!「走れ」という間もなかったけど(笑)、スタートを切った瞬間の歓声の大きさに鳥肌が立った。
アウトになったときの「あぁあー!」っていう声の方が大きかったかな(笑)
だけどみんな笑顔だった。よく走った!次や!って。

最終戦に見た「明日」。
大変な一年だったけど、最後の最後に思わぬ希望も感じた。
12年ぶりとなった最終戦での監督挨拶。
本当の始まりは来年にある気がした。
来年の春をまた楽しみに待ちたいと思う。

5

最後にもう一度だけ…
福原おつかれさま!18年間、ありがとう!

[今日のゴメちゃん]

監督挨拶で整然と横一列に並んだコーチ、選手たち。
勝手わからないサターホワイトちゃんが入る場所探して一人走っていたら、端っこにいたゴメちゃんがスッと場所を空けてくれた。
優しいゴメちゃん。
今年も一年ありがとう!
またね!

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