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こうして私と2号は、あんなにしがみついていた座席をアッサリ後にすることになった。
少し離れて座っていた、被害者と私たちの共通の知人であるNさんが、「申し訳ない」と謝りにきた。
Nさんは何も悪くないのだけど、「自分の仲間のトラブルで」と思ったのだろう。
「大丈夫!」なんて言わないよ。
「うん。」とうなずいておいた(笑)
そうして、オトコマエのお巡り氏に寄り添うように(得)、ゲートを出た。
出てしばらくすると、最初にあれやこれや聞いてきてた、ボテっとしたお巡りさんと、少し小柄なお巡りさんの二人組に出合った。
すると…あろうことか、オトコマエ氏はこの二人組に、私たちを引き渡したのだ!!
そのあまりにも自然な動作に、ようやく悟った。
は・め・ら・れ・た!
これが「おとり捜査」ちゅーやつか!(違)
まんまと引っかかった。
卑怯だぞケイサツめ!
(`□´#)ノ
しかしここまでくると、もう引き返すための抵抗も面倒になった。
球場外周を連れられて歩いていると、ワァーー!!っと大歓声が起こった。
…また打ったのだ。
今日は二桁打つんかなぁ…
まだまだ試合は中盤だった。
でも、私と2号には遠い世界。
聞こえてくるトランペットの音頭に合わせて、応援バットをむやみに叩いておいた。
そんなとき、ふと思った。そして思ったことをそのまま尋ねた。
れ「今日ってもしかしてパトカーで送ってくれるん!?
(‘ ∇‘ )b」
良い質問だ。
しかし…
巡「いえ。」
れ「えっっ…ほなどうやって帰るんっ!?」
巡「電車で。」
れ「(Θ_Θ)」
かっこいい‘働く乗り物’に乗りたかった。
車内を彩るメカについて、質問責めにしたかった。
あわよくば、運転…(コラ)
このお巡り二人組は、善良な市民に、夢さえ見させてくれないのだ。
それどころか、自分たちの任務遂行だけが目的なのだ。
無線機で、「ショ」というところと連絡し合ってた。
「マルモク2名確保。
署に向かいます」
………!!!!
マルモクって何!?
…もしかして…!?
うちらのことか!!
2号がゲラゲラ笑ってた。
マルモクて!
確保て!
2号とキャッキャッしているうちに、なんだか楽しくなってきた。
こうしてマルモクコンビが誕生した。