神戸市灘区にある「畑原市場」が来月末に、およそ100年の歴史に幕を閉じます。
長年にわたり地域で愛されてきた市場とあって多くの人たちが名残を惜しんでいます。
買い物客でにぎわう神戸市灘区の水道筋商店街。 その北側、東西およそ60メートルにわたって続く商店街が「畑原市場」です。
シャッター通りとなった市場には別れを惜しむメッセージが張り出されています。
1918年、大正7年に元々は長屋のあった場所で38の店が開かれたのが始まりでした。 その後、昭和の太平洋戦争も乗り越え目利きの店主たちが集まった市場は1960年代から70年代に最も栄えたといわれています。
当時、理事長を務めていた尾崎千代市さんの二代目として店を継いだ息子、寿昭さん(72)は繁盛していたころを今でも忘れられないといいます。
阪神淡路大震災では大きな被害を受けませんでしたが、家を失った地元の客は離れたといいます。
その後も近隣にできた大型スーパーの影響で客が減り、さらに、追い打ちをかけるように2006年、火事に見舞われ5店舗が全焼。
焼け跡の一部はマンションに建て替わり、最盛期60店舗近くあった店が10店舗ほどに減ってしまい、市場は閉鎖する事が決まりました。
地元の人たちに愛されてきた市場の閉鎖を惜しむ声を受けてお別れのメッセージなどを張り出すことを提案したのはこの地域のまちづくりを考える「水道筋地域まちなか再生協議会」の慈憲一さんです。
100年もの歴史にピリオドを打つ畑原市場。 来月末の閉鎖まで「畑原市場大感謝会」として色々なイベントを行い、多くの人に昔懐かしい商店街の雰囲気を味わってほしいとしています。