2020年02月25日(火曜日) 14:55 文化・スポーツ

【待ってろ2020】棒高跳び 那須眞由選手

長くしなやかなポールを地面に突き刺し、その反発力で浮き上がってはるか頭上のバーを越える棒高跳び。
日本女子のエース・那須眞由選手、23歳です。

昨シーズン、日本選手権で初めて優勝するなど、国内の主要大会で4冠に輝きました。

尼崎市にある園田学園女子大学を2019年に卒業し、現在も後輩たちに混じって母校のグラウンドで練習に励んでいます。

明石市出身の那須選手。中学で陸上を始め、最初は走り高跳びに打ち込んでいました。
ところが、進学した明石商業高校では。

(那須眞由選手)高校初めのころは帰宅部で。
(小林祐梨子さん)これ、衝撃の事実じゃないですか?
(那須選手)
小学校からの先輩に「女子が少ないからマネージャーでもいいから入って」と勧められたのがきっかけで、
「マネージャーならいいか」と思って入った。

1年の途中に陸上を再開すると、持ち前の身体能力の高さを買われ、山村博之監督の勧めで棒高跳びに転向します。

最初は1メートル50ほどしか跳べなかったのが、わずか4カ月で3メートルをクリアできるまでに急成長。高校3年の時には国体で優勝し、初めて頂点へと上り詰めました。

練習ではまず、他の種目の選手たちといっしょに筋力や体幹などを1時間みっちり鍛えます。

(小林さん)腹筋も結構ついてる感じですか?
(那須選手)
自分では自覚はないんですけど、周りの人からは「割れてるね」と。

4キロもある重いボールもご覧の通り。
そのあと、走る練習などもこなしてようやくポールを握ります。

(小林さん)
すごい迫力ですね、近くで見たら。
基礎トレーニング(で鍛えた)全身の筋力・バランス。すべてのタイミングがかみ合わないと越えられないですよね。

小林さんも挑戦することに。

(那須選手)頭の上で「1・2、ぶらさがる」。
(小林さん)もう怖いです。ぶらさがるが怖い。
(那須選手)
もっとグリップも上を握って、ポールを曲げないといけないので。
これよりもはるか上を持たないといけない。
(小林さん)恐怖心はどうですか?
(那須選手)最初全然なかったんですけど、ただガムシャラにやっていただけなので。

中長距離のエキスパートでも難しい棒高跳び。瞬く間にトップレベルへと駆け上がった那須選手のすごさが際立ちます。

一方で那須選手にはもう一つの顔が。

スポーツショップの店員です。
神戸に本社を置くヤノスポーツ。2019年、那須選手ら園田学園女子大学を卒業した陸上選手3人を迎え入れました。

(小林さん)
さっきから気になるのがありまして。下見てください。ここ、名前のところ。
確か下の名前は「眞由さん」ですよね。
「エレナ」ってなっていますけど、どういうことですか?
(那須選手)
ヤノスポーツではイングリッシュネームが一人一人あって。
私はエレーナ・イシンバエワさんの名前をお借りして「エレナ」。
(小林さん)
(女子)棒高跳びの世界記録保持者ですよ。
陸上界では誰もが知る、陸上界以外でも知ってるとは思うんですけど、それを凝縮して「エレナ」と。
眞由の「ま」の字も入っていない「エレナ」。

(那須選手)
私自身が苦労をしながら陸上をするほうが向いてると思うので、
練習と仕事を両立させることが自分の中では大事。

大きな飛躍を遂げた社会人1年目。
大学時代から指導する藤川浩喜監督は、那須選手の「ハングリー精神」に期待しています。

(園田学園女子大学 陸上部 藤川浩喜監督)
よくスポーツでは「ハングリー精神」って言われるんですけど、
彼女は決して恵まれた環境でない中で、無い時間・無い費用の中でやりくりしてる。
そこが負けず嫌いの性格とマッチして、
ほかの強い選手に絶対負けないという気持ちを支えているんだと思います。

(那須選手)
暇があったら仕事を入れないと、遠征費とかも大事になってくるので。
(小林さん)
日本一のトップ選手ですよ。それぐらい本当大変な環境の中で。

那須選手の自己ベストは4メートル25。
我孫子智美選手が持つ日本記録4メートル40まであと15センチです。

(藤川監督)
助走のスピードが上がらないと次の記録にはいけないと思ってますんで、
短距離の練習も積極的に取り入れてます。
上半身の筋肉がもう少しつけば、日本記録も狙えると思います。

日本記録更新のその先に見えてくる、東京オリンピックの出場権。

(小林さん)今の目標は?
(那須選手)
やっぱりオリンピック出場です。我孫子さんの日本記録を超えないといけないなと。
そこを通過点にしないと。2019年もそう言ってたんですけど超えることができなくて、
2020年のオリンピックシーズンは絶対にそこを超えていきたいと思ってます。

さらなる高みを目指して。那須選手の挑戦は続きます。

(那須選手)「待ってろ2020」

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