2019年11月06日(水曜日) 15:22 地域・まち

発達障害を強みに 応援ソングとは?

神戸市のシンガーソングライターyu-kaさん。透明感のある優しい歌声が特徴です。

Yu-kaさんが手掛けているのは発達障害の人たちを応援する“発達ソング”。インターネット上での閲覧数は2万回を超えるなど、多くの共感を生んでいます。

だから 見せたい 弱さ 見せたいな
見せたくない ない ない なあ
見せようか 本当の私を
もうちょっと かくれんぼ
yu-ka『かくれんぼ』より

(シンガーソングライター yu-kaさん)
発達障害について知ってもらいたい。ポップに知ってもらいたいといいますか、
発達障害だからといって避ける感じではなくて、もっと身近に知ってもらいたい思いが一番。

yu-kaさんは大学時代、飲食のアルバイトなどを10カ所も転々としました。メモしても仕事を忘れてしまう、予定を立てられないなど失敗が重なり、1人思い悩み病院へ。そこで発達障害の1つADHD(注意欠如多動症)と診断されました。

(yu-kaさん)
頑張ってもできてなかった部分の原因が分かってある意味すっきりした感じがあったんです。
学業面でつまずきがなかったので(障害を)見過ごされて、いきなり成人になって障害があるって言われたときに、これからどうしたらいいんだろうっていう不安はありましたね。

大学卒業後、念願だった企業に就職。広報を担当しました。しかし複数の仕事を同時並行したり優先順位をつけたりするのが苦手で、自分を責める毎日に。心身ともにギリギリな状態となりうつ病で退職。

(yu-kaさん)
発達障害の特性を(会社に)伝えていなかったものですから、助けを得る事が難しかった。心身ともにだいぶ辛かった。朝も午後まで起きられない、目覚める事ができない。

失意の中、ある転機が。発達障害を公表しながら活躍するNPOの代表や企業の社長たちとの出会いでした。

特性を強みとして活かしている人たちに感銘を受け、インタビューメディアを立ち上げネットで発信。講演も行うようになりました。

(yu-kaさん)
特性というのは人に迷惑をかけることが多かったんですけれども、それを隠していると自分ばっかり苦しくなって、周りの人も助けたいと思っているけど手を差し伸べられないということに気づいたので、緊張はするけれども、自分から開示、自分のことを話すことの大切さを改めて教わりました。

そして自分の強みを考え、得意だったピアノで弾き語りを開始。去年の秋には1stアルバム「でこぼこ道」を発表。

本人一番のお気に入りが「アデコと君の唄」。ADHDをもじった「アデコ」という女の子と、それを優しく見守る人物が登場します。

アデコと歩む道で ちっぽけな岩や坂道で
躓いたこともあっただろう
でも彼女の凹ってしたとこ あってくれて良かったんだ
だってそのままの でこぼこのアデコが
今 大好きになったんだ
yu-ka『アデコと君の唄』より

では、なくし物が多いという自身の特性に対し、どんな工夫をしているのでしょうか?

まず大事な物は入れないサブのバッグに、連絡先付きのUSBの入れ。失くすことを前提に準備しています。そして、自分の得意不得意を書いた取扱説明書。

(yu-kaさん)
苦手といっても、どれくらい苦手なのかというのが口頭では伝わらないので、文面化したほうが相手の方も接しやすいと思ってくださると思いますね。

また、yu-kaさんが力を入れているのが「応援ソングライター」としての活動。まず受験や進路など背中を押してほしい依頼者の想いをヒアリング。そして好みの曲調を聞き、作詞作曲してくれる応援歌づくりです。

(yu-kaさん)
目で見た情報を覚えるのはすごく苦手なんですけれども、耳で聞いた曲や話はよく覚えてるんですね。聴覚優位が強みかなと思っています。

不得意を隠すのではなく、お互いを認め合い、共に助けあえる社会に。Yu-kaさんの奏でる音楽が思いをつなぎます。

また、今回Yu-kaさんには応援歌を作っていただくことに。テーマは「サンテレビ」。どんな応援歌に仕上がったのでしょうか?

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