2019年10月24日(木曜日) 13:46 地域・まち

【特集】99歳でも現役!淡路島のわらび餅屋さん

わらび餅を作り続けて70年。99歳の今も現役で、わらび餅を移動販売している男性が淡路島にいます。
75歳の今も現役でテレビカメラをかつぐサンテレビ淡路総局神子素カメラマンが撮影しました。

♪チリンチリンチリン

洲本の街中に響き渡る行商の鐘。わらび餅の移動販売を知らせる鐘の音です。

「ありがとう。ありがとうね。」

 (Q味はどう?)「おいしい」

このまちで70年以上わらび餅を移動販売している川西俊一さん。
99歳になった今も現役です。

その姿は、淡路島出身の俳優 笹野高史さん主演の映画「あったまら銭湯」で主人公のモチーフにもなりました。

Q元気の秘訣は何ですか
「えっ?」

Q元気の秘訣は何ですか
「そりゃわからんな~。」    

生涯現役を貫く川西さん。その元気の秘訣とは。

洲本市の行商 川西俊一さん(99)。そのお手伝いをしているのが35歳年下の妻 惠さん(64)です。

「おかんどない?どない?なんで一緒になったんかな?」

「くされ縁」

「惚れたんか?」

「くされ縁」

川西さんの99年は波乱万丈の人生でした。

第二次世界大戦中は、陸軍の軍需工場で徴用工として満州で働いていた俊一さん。
終戦の1年後に日本に戻ることができました。

嫁さんのお父さんがわらび餅をしょったんや。それを見習って後継ぎした。今洲本中で淡路でもおりません。
飴細工やわらび餅の仕事に専念。4度の離婚を経験し、惠さんと5度目の結婚。連れ添って23年です。

「一緒になって違う人生というか違う歩き方を見せてくれたからまぁ良かったかなと思っているけど。」

飴細工は、2009年度に伝統文化を守り育てた功績を称えられ「ふるさと文化賞」を受賞。

現在は、立ち仕事が難しくなったためわらび餅に専念しています。

「これはもち米です。こういう風にして袋に詰めて炊きます。」

作っているのは、わらび餅としがらき餅。

しがらき餅とはもち米を炊いて冷やしたおもちのようなお菓子。200円と300円で販売し、30年ほど値段を上げていません。

(Q、消費税上げても関係ないですか?)
「上げたら売れれへんやん。私ら昔人間やから。その上げるっていうことは…子どもが来るからな。」
「300円で例えば20円上げたとしたら、おつりの計算もできへんやろうし」(妻・恵さん)

若いころは100m12秒台で走り、淡路島で1番になったこともあったそうです。その脚力は99歳の今も健在です。

♪チリンチリンチリン

この日はくもり。雨が降りそうな日は、アーケードがある地元の商店街で販売します。
ただ…、この日はなかなかお客さんが訪れません。
そこで。

「全財産 2300円。はいどうぞ。」「ボートレース行くねん。」

パートが休みで惠さんがお手伝いしてくれる日は、店番を任せるのが日課です。

(Qいつも3連単ですか?)
「そうそう3連単。難しい。」

毎回、100円を2点張り。1レースに200円使います。カメラを回し始めてすぐ、目を疑う展開が訪れます。

「入った!入った!来たんちゃいます?入ったよ」

なんと1レース目で3連単を的中!倍率8.6倍の1番人気とは言え、100円2点張りで的中させました。

そのころお店には、常連客の姿が。

「お父さんは?」(客)
「ボート行っとん?いや~元気やんか。ひと儲けしてくるんやな(笑)」(客)

もう1レースと言っていたものの俊一さんの姿は、4時間後も場外発売場に。
この日は500円ほどマイナスでしたが、ボートレースも元気の秘訣です。

「なんぼ儲けたん?」
「儲けにならん。ちょっと損や。」

来年5月6日で100歳を迎えます。
冬の間はお休みのため、ことしの営業は来月上旬までと残りわずかです。

「この前うちの長男がわらびもち買ってきたよって。むっちゃうれしそうに帰ってきて。」(客)
「おいしいよ、懐かしい最高、きな粉の味ね。(99歳で現役)元気を俺も分けてもらいよる。」(客)

90歳で脳梗塞、その後、虚血性心疾患で入院。一時には認知症と診断されましたが、回復するなど3度の大病を乗り越えてきました。

「お父ちゃん、来年もせんかよ。来年、来年。」

「来年はな100歳。」
「頑張ってせんかよ。」
「まぁ命ある限り何もえらいことないねんからな。こないして座ってこなしとったら買いに来てくれるんやから結構なもんです。」

♪チリンチリンチリン

目指せ100歳!現役

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