2019年04月25日(木曜日) 19:39 地域・まち

【特集】亡き兄への思い胸に… 命の最前線に立つ遺族

14年前、脱線事故で兄を亡くし、「命を救う仕事に就く」と誓った男性がいます。看護師として、災害医療隊員として、現場の最前線に立つ思いを取材しました。

 

神戸市内にある病院の救急病棟で看護師として働く、上田篤史さん。篤史さんがこの仕事を目指したのは、兄の死がきっかけでした。

篤史さんの兄・昌毅さんは、事故当日、神戸市北区の自宅から大阪の大学に向かう途中で、脱線した快速列車の2両目に乗っていました。

当時高校1年だった篤史さんは、遺体安置所で変わり果てた昌毅さんと対面しました。

事故の1カ月前には、昌毅さんの大学入学、そして篤史さんの高校入学を祝い、鳥取県に旅行に出掛けていました。

家族4人の幸せな日常は、あの日1日にして奪われたのです。

篤史さんの父、弘志さんです。弘志さんは、事故後、悲しみの中で、篤史さんのことを気に掛けてあげられなかったことを今でも悔やんでいます。

一方、篤史さんは、喧嘩も全くしないほど、仲が良かった兄の死を受け入れられずにいました。救われなかった兄の命。昌毅さんの遺体を前に篤史さんはある誓いを立てます。

事故から7年が経った2012年、篤史さんは、県内の看護大学を卒業し、今の職場で働き始めました。

今月から配属された救急病棟では、心不全や肺炎、それに交通事故などで入院する患者を担当しています。

去年の8月には、大規模災害が発生した際、いち早く現場で医療活動にあたる「災害医療派遣チーム DMAT」の隊員にもなりました。

兄の死に向き合い、自らの道を歩む篤史さん。父・弘志さんの勧めもあり、5年前には、追悼慰霊式で遺族代表として、言葉を述べました。

兄のように、病院にたどり着けずに亡くなる人を1人でも減らしたい。

篤史さんは、これからも、命を救う最前線に立ち続けます。

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