COFFEE Blog vol.4 | Go!ひょうご

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COFFEE Blog vol.4

コラム コーヒー

では、前回はメキシコのコーヒー生産に関する歴史に触れ、現在、有機栽培によるコーヒー生産で一定のプレゼンスを保つことができるようになってきた状況を見てきました。
今回は、メキシコという国の現状及び社会問題、そして社会問題の解決に向けた取り組みを進めている事業についてまとめていきたいと思います。

まず初めに、数値データを見ていきます。メキシコの名目GDPは2014年で1兆2950億ドルです。1億2,540万人で単純平均すると一人当たりGDPは10,327ドルということになります。(この辺り、前回のエチオピアとは2桁異なります。工業化の進んだ新興国の経済規模ということでしょうか。)
ちなみに、近年世界の主要自動車メーカーがメキシコに進出しつつあります。その理由としては、北米自由貿易協定に参加していることや中南米との貿易協定、各国との貿易自由協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の締結など、世界各国との自由貿易網があるメキシコを生産拠点にして世界での貿易取引をスムーズに行う構想がグローバルカンパニーにとっては描きやすいということです。

こうした国として経済発展に寄与する工業化が進んでいる一方で、国際貧困ライン(1日1.25ドル以内で生活を強いられる人口)を基準に考えた時の貧困率は、人口に対して2008年49.0%、2010年52.0%、2012年 51.6%、2014年53.2%とやや増加傾向にあります。
また、新興国メキシコの場合、貧困層の絶対数も多く、今後の継続的な経済成長には、この高い貧困率が問題となってきます。先述の世界の自動車メーカーのメキシコ進出など、世界からの投資が進む中、メキシコ国内の高い貧困率や後に触れる政治汚職、麻薬カルテルなどカントリーリスクにも注視が必要です。

ここで、メキシコの大きな社会問題について触れてみたいと思います。
『所得格差、政治汚職、教育、貧困』の4つが特に挙げられます。

工業化が進み経済的には発展しつつある一方で、貧困率が非常に高いメキシコではつまりは所得格差激しく、それが原因でデモンストレーションが頻繁に発生し、またアメリカへの移住を考えるものが増えるなど、社会基盤の揺らぎが続いています。また、デモやアメリカ移住の理由としては慢性的な汚職もあげられます。Transparency Internationalによる2014年の政治腐敗指数の調査では、驚くことに100ポイント中35ポイントの評価で175か国中103番目の透明性という不名誉な評価となってしまいました。
その理由として2000年に終結するまで約70年間一党による政治運営があったことがあげられます。規制解除後もいったんは別政党が第一党となり政治運営を行ったものの、現在はまた元の政党が返り咲くなど、市民の信頼を回復するような変化はあまりみうけられません。こうした状況に対する社会運動やデモでは、透明性及び誠実な政府を求めています。

また教育面に関しても、汚職は影響しており、以前の教育労働組合は機能せず(トップが自身の私欲のため資金を流用していたこともあります)、現在のメキシコの教育水準は低く、中退するものも多く、全体の37%が高等教育を受けているのみです。
この水準は34のOECD加盟国の中では下から2番目の水準となっています。このような低い教育水準は国の発展や人々の機会均等を実現する妨げとなり、貧困や不平等といった問題を悪化させる要因となります。

このように、ややネガティブな側面が依然として残るメキシコの現状ではありますが、比較的自由貿易の体制が整っているという経済的なメリットがあり、また経済大国アメリカとの距離が近いという地理的要因も影響し、今後もポテンシャルが期待できる国ではあります。

ここからは人々の為に事業を起こそうとする若いソーシャルアントレプレナーについて話を進めていきたいと思います。

1) 教育 : Mois Cherem (ENOVA)

ENOVAとは、恵まれない地域社会に対してテクノロジーを用いて教育へのアクセシビリティを改善させるための事業です。
2013年には世界経済フォーラムでSocial Entrepreneur of the Yearを受賞するなど、多くの受賞歴のある世界的にも注目されているITを教育の分野に活かした事業モデルをとっています。
具体的には、電気通信、ソフトウェア開発、オペレーティングシステム、技術サポート、新しい技術やシステム情報の分析などに取組、より良い学習環境の提供を行っています。

欠陥の多いメキシコの教育システムから離れてしまった低所得地域に教育センターを設立し、様々な分野のeラーニングコースを設定し、子供たちがモチベーションを維持できるような内容で学習するためのオンラインシステムにも工夫を凝らしています。また、生徒が利用した情報を元にシステムの更新が行われ、常にシステム面に対する配慮もなされています。

これらの教育センターは、事業開始後、最初の4カ月で10つの教育センターをスタートさせています。この事業の成功はメキシコの経済及び社会の発展に対してとても大きなインパクトをもっており、今後の発展が気になる事業です。
(参考URL : http://enova.mx/en)

2) 農業 : Patrick Struebi (Fairtrasa)

小規模農家を貧困から脱出させるためのサポートを行う社会的企業です。有機栽培に取り組みたい生産者やそれらを輸出まで行いたい生産者に対して、トレーニングやリソースを提供しています。そして、この事業を通して地域経済の発展、社会貢献、環境保全といったプラスのインパクトも同時に生んでいます。
2005年に設立されてから、現在では12か国で展開するグローバルグループで、現在では6500以上の小規模農家と連携し、ラテンアメリカで最大級のオーガニック、フェアトレードフルーツの輸出を行っています。

事業開始当初は、世界的なフェアトレードムーブメントの一部でありましたが、世界中の小規模農家の生活の改善を目的としたこのムーブメント、フェアトレードプレミアム(価格)では継続的な発展には不十分だと気づき、地域コミュニティや農家が期待している包括的な解決策を模索し、特徴的なモデルの構築に至っています。
この開発モデルでは、Fairtrasaの専門家だけでなく、パートナーの開発機関と協力しながら個々の農家にあったトレーニングを行い、輸出の専門業者や農業に関する起業家となれるよう後押しを行っています。
その結果、この開発モデルは6か国まで活動を広げ、小規模農家の収入を10倍にまで成長させ、農家やコミュニティの何千人もの生活に対して、根本的で実現性のある継続可能な変化を生み出しています。
(参考URL : http://www.fairtrasa.com/)

社会的な基盤を作る子供たちへの教育環境を整える事業、そして多くの小規模農家及び地域コミュニティへのサポート・エンパワーメントを行う事業、それぞれ今後の発展の下支えになる重要な事業だと思います。これらのモデルはメキシコ以外の国、アジア、アフリカの途上国でも役に立ちそうなモデルのように感じます。
今回は2人の起業家にしか触れることができませんでしたが、メキシコでは学生起業家も活躍していると話に聞きます。ご興味ある方は、是非チェックしてみてください。

次回は、南に下り、南米のコーヒー生産国を取り上げてみたいと思います。

Have a nice cup of coffee!

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