COFFEE Blog vol.2 | Go!ひょうご

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COFFEE Blog vol.2

コラム コーヒー

前回の続き

さて、エチオピアという国の現状及び諸問題(主にはデータのご紹介)について簡単に挙げてみたいと思います。
まず、エチオピアの名目GDPは2014年で548億ドルです。と言うことは、96.5百万人の国民で単純平均すると1人当たりGDPは568ドルということになります。実はこの水準、名目GDPはアフリカ諸国の中でも中位程度であるのですが、1人当たりGDPで見た場合、最貧国に含まれる水準になっています。ちなみに日本の場合、名目GDPは2014年で4.6兆ドルです。そして、国民一人当たりで単純平均すると1人当たり36,200ドルとなります。

この経済規模の差があるなかで、少し興味深いデータがあります。

日本でエチオピア産の生豆を購入する場合、およそ1kgあたり1500~2000円前後の物が多いと思います。(希少性の高いものや、オークションで取引されたものなど、高品質なコーヒーについてはこの限りではありません。)

一方でエチオピア農業省の研究者から現地(首都アジスアベバ)のコーヒー豆小売業者の販売価格は(生豆で)1キロあたり120-150ブル(約720-900円)と報告がありました。
1キロのコーヒーを購入した後、どの程度の期間で消費されるのかはわかりませんが、エチオピアで生産されたコーヒーの約半分は国内消費に回るということ、そしてこの価格帯で売買されているという事実を考えると、エチオピア国民にとってのコーヒーの重要性が伺えます。

*価格だけを記載すると、実際のクオリティが違うというご意見がでるとは思いますが、アメリカ農務省のレポートによると、エチオピア国内で流通しているコーヒー豆は、輸出規格外(つまりは何らかの欠点があったり、グレードの下がるもの)のコーヒーとのことです。

次に国際貧困ライン(1日1.25ドル以内で生活を強いられる人口)を基準に考えた時の貧困率は1995年45.5%、1999年44.2%、2004年 38.9%、2010年29.6%と年々減少しています。World Bankのレポートによると、2017年度までの見込みでエチオピア経済は年率8%を超える成長が維持されるものと予想されていますので、貧困率についても、この減少傾向が続くのではないでしょうか。あとは、減少幅をどのように拡大していくかということかと思います。
平均寿命に関しては、年々上昇しており、2005年が56.6歳であったのに対して、2010年は61.5歳と約5歳上昇している。直近の2013年は63.6歳となり、平均寿命に関してはサブサハラ以南の平均を5歳以上上回っています。

続いて、気になる諸事情(インフラ、教育など)についても触れてみたいと思います。
まず、教育面について、 World Bankの統計によると2005年の人口に対する初等教育の就学率は、サブサハラ以南の平均が94.3%なのに対してエチオピアは79.2%となっている。2006年は83.6%と上昇したものの、まだサブサハラ以南の平均(2006年は96.1%)には追い付いていません。
なぜでしょう。小学校が不足しているのか、農業に依存した経済体質のため、労働力として児童が必要とされているのか、貧困による資金不足で学校に行けていないのか。

現時点ではデータの羅列にはなってしまいましたが、今後データの分析を進めたいと思います。Blogをお読みいただいている方へは、数値をもとに『なぜ増えたか』『なぜ減ったか』『もう少し参考データが必要なので、この分野も調べてみよう』など、次のアクションにつなげていただければと思います。

最後に、より国民の生活や経済に直結する農業に関する現地での改善プロジェクトを2つ取り上げることにします。

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世界的に人の生活行動を中心に考え、そこから問題解決を図るHCD(Human Centered Design)と呼ばれる考え方をもとにプロジェクトを推進している団体IDEO.orgがアメリカに存在しています。まずはこの団体が現在取り組んでいるエチオピアのプロジェクトをご紹介させていただきます。

≪Building a Low-Cost Teff Seed Planter≫

エチオピアの代表料理インジェラの原料となるテフの低コスト種まき機開発プロジェクトです。

慣習的で無作為な種まきでは、機械的なプロセスに比べ、最大10倍近くもの種が使用されていたが、コントロールすることにより必要な種(費用)が軽減でき、農業従事者の利回りをよくするというものです。
エチオピアでは地域、時期により土壌が多様に変化します。伝統的に雨季に種まきがおこなわれているため、土壌は非常にやわらかく、農家の人々は簡単に種が水で流されてしまうからより多くの種をまいておかなければいけないと考えています。
しかしながら、実際のテフの成長はより力強く、少量の種でも流されることなく十分に根をはります。そして一列に種を植えることで、根の絡みつきもなく、それぞれが栄養を吸収して成長していくため、無駄がなくなり種の使用量も軽減できます。
エチオピア国内の専門家からの意見によれば、想定では1エーカー当たり1.2トンの収穫量を7トンにまで増やせる可能性があるようです。

プロジェクトチームは、アメリカ本国でのプロトタイプ作成からスタートし、エチオピアでの2度のフィールドワークを通じ、現地の研究者や金物屋とのリレーションも築いています。これらのリレーションを活用しながら現地でのプロトタイプ改良やそのための問題解決の糸口を見つけ、より現地の環境にあったものに仕上げています。
現在、プロジェクトは第2フェーズに入り、チームメンバーの入れ替えもありながら、継続されています。この機械はエチオピアのさまざまな土壌に対応し、最終的にはエチオピア国内で製造され、修繕できる態勢が必要となってきます。

エチオピアには605万人ものテフの生産者がいます。つまりは、このプロジェクトが成果をあげていけば、テフ農業の従事者たちの生活を劇的に変えることのできる、そんなポテンシャルを持っているという事になります。

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続いて、日本が取り組んでいたプロジェクトをご紹介したいと思います。

≪ベレテ・ゲラ参加型森林管理計画プロジェクト≫

独立行政法人国際協力機構(以下、JICAとする。)とUCC上島珈琲株式会社の協働で、2003~2006年(フェーズ1)、2006~2012年(フェーズ2)の2期で行われたものです。
エチオピアの南西部に位置するオロミア州ベレテ・ゲラ森林優先地域を対象としたプロジェクトで、森林保全と住民の生活向上(生計向上支援活動)の両立が求められていました。

森林保全については、ベレテ・ゲラ地域にある44の集落それぞれに森林管理組合を設置し、森林管理のルールを制定することで、農地拡大のための違法な森林伐採の管理を相互で行うものです。
また、森林内に自生している コーヒーでレインフォレスト・アライアンス国際認証を取得し、プレミアム価格での販売を目指し、住民の収入増に伴う森林保全のインセンティブ付けを行った。同時に、農民を対象とした野外教室を開講し、農業技術の改良と農地の生産性向上に向けた教育を行っていました。

このように、本プロジェクトの目的はコーヒーのプレミアム価格での販売や農地の生産性向上が進むにつれて、以前の様な農地拡大を目的とした森林伐採は抑制され、森林を伐採せずに生計を向上させるという仕組み作りを目指したものでした。

また、JICAの支援終了後もプロジェクト(森林管理及び生計向上)の効果が継続するよう、民間企業との連携(環境NGO、日本向けの輸出入を行う商社、日本での販売業者)を進め、認証の取得、生産・品質の管理、マーケティング、輸出という一連の流れをプロジェクトを通してコーディネートされていました。

その後、収穫されたコーヒーはアメリカやイタリアへの輸出も一部行われるようになり、またUCCにおいては継続的に日本での販売もなされている。
加えて、2014年7月~2020年1月での期間でプロジェクトが再度スタート(http://www.jica.go.jp/oda/project/1300501/index.html)し、今回は以前のプロジェクトの対象地から別地域に広げていくことを目的としています。

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今回は、2プロジェクトのみの限られたものになってしまいましたが、その他にもまだまだ知られていないプロジェクトや活動があるかと思いますので、是非ご紹介ください。そして、より多くの方に知っていただき、コーヒーから繋がる世界の一面を皆様と共有できればうれしく思います。

それでは。

Have a nice cup of coffee 🙂

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