番組審議会

第447回 放送番組審議会

開催日  2016年3月8日(火)
出席委員 9人

議事 特別番組 娘の命の価値~司法に翻弄された遺族~
(2015年11月29日(日)21:00~21:54放送分)

審議概要
2009年、千葉県松戸市のマンションで、兵庫県稲美町出身の大学4年の女子学生が遺体で見つかり、強盗殺人容疑で男が逮捕された。男は、1審の裁判員裁判で死刑判決を言い渡されたが、2審の高裁は「被害者が1人で計画性がない」として、裁判員裁判の死刑判決を破棄し無期懲役とし、2015年2月、最高裁で無期懲役判決が確定した。
「なぜ裁判所は市民の判断を尊重しないのか」。最愛の娘の命を奪われた遺族に密着するとともに、司法制度の矛盾についても取材した番組を視聴、合評した。

委員の主な意見(要旨)
  • 「遺族の割り切れない気持ちに真正面から目を向けた優れた作品だ」
  • 「遺族に寄り添っていて、司法の問題点を突いた非常に優れたドキュメントだ」
  • 「事件から遺族の時間が止まっているとひしひしと感じるなど、遺族のやりきれなさが伝わってきた」
  • 「遺族、専門家、元裁判官らさまざまな立場の人を取材していて公平な番組の作り方だった」
  • 「亡くなった女子学生の友達や同じような被害者ら、色々な取材をしていて、なかなかよく頑張って作った番組だ」
  • 「作品を見て、記者が遺族と信頼関係を作ったんだと実感した。司法制度の問題点もあぶりだされていて、こういう報道を続けていくことに意味があると感じた」
  • 「亡くなった女子学生の兄の取材がもう少しあれば遺族の一体感が伝わったのではないか」
  • 「はじめから最後まで、遺族の怒りの感情がずっと出ていて、1時間という番組時間が長く感じた」
  • 「被害者の魂の救済、被害者の立ち直りの支援などの側面が取材の残されたテーマとしてあるのではないか」