番組審議会

第441回 放送番組審議会

開催日  2015年7月14日(火)
出席委員 7人

議事 報道特別番組「揺らぐ“終(つい)の住み家”
~借り上げ復興住宅 それぞれの選択~」
(1月17日 19:00~19:55放映)

審議概要
阪神・淡路大震災から20年がすぎ、自治体が民間やURから借り上げた復興住宅の返還期限が迫っている。最大戸数を抱える神戸市を始め、問題は広範にわたる。「借り上げ復興住宅」は、入居に期限がない「復興住宅」と違い、20年でその役割を終えるはずだった……。
震災後、復興住宅の不足分を補うため、積極的に導入されたはずの「借り上げ復興住宅制度」。しかし、入居した先がたまたま「借り上げ復興住宅」だったという理由で、転居への不安を抱えながら暮らす被災者は多い。震災から20年が経ち、なぜ被災者が再び住まいの安心をおびやかされるのか。震災からまる20年を迎えた今年の1月17日に放映、今なお残る震災の爪痕を伝えるとともに、制度のあり方を検証した。
日本民間放送連盟主催の連盟賞テレビ番組部門に出品する報道番組。7月下旬に行われる近畿地区の審査会に向けて、当審議会で視聴、合評した。

委員の主な意見(要旨)
  • 「重く正解がないテーマだが、丁寧につくってある」
  • 「難しい問題を、よく取り上げてくれた。それぞれの立場で苦慮していることが、よく分かった」
  • 「なかなか見応えのあるよい番組。変に住民側に偏っていない」
  • 「公平さへの配慮もあって、さすがと思うが、やはり情に訴えかける感が強い」
  • 「番組冒頭で、制度自体の説明が必要だったのではないか。より客観性を担保できたと思う」
  • 「(制度そのものが)少しずつ動いているところもある。それがもう少し分かれば良かった」
  • 「(取材)カメラの位置を逆にすると……それぞれの立場で番組がつくれる重い20年。出来るだけ公平であろうとする意図は伝わった」
  • 「借り上げ住宅だけでなく、むしろ高齢化の問題。被災地の『いま』は、これからの社会の縮図」
  • 「阪神・淡路大震災は終わっていない、という意味では意義がある番組だが、こういう問題、課題を知ってもらうため、むしろ全国で流れた方が良いのでは」
  • 「結論は出なくても考え続けることが大事で、問題を提示し続けていただきたい」