番組審議会

第439回 放送番組審議会

開催日  2015年5月12日(火)
出席委員:7人

議事 「JR福知山線脱線事故から10年」NEWSPORT特集と報道特別番組
(4月23日〈木〉~ 4月25日〈土〉放送分)

審議概要
乗客ら107人が死亡し562人が重軽傷を負った「JR福知山線脱線事故」。当社では折りに付け関連のニュースを伝えているが、事故から丸10年のこの4月25日には、遺族と被害者の現状や当日の現場周辺の動きなどを伝えるとともに、加害企業の刑事責任の在り方を考える特別番組を編成した(21:00~30分枠)。司会は小濱英博アナウンサー。
当審議会では、メーンニュース「NEWS PORT(平日21:30~30分枠、キャスターは同アナ)」の23日と24日の特集(それぞれ、遺族の10年の思いや活動を振り返る内容)とともに、この特番を視聴、合評した。
【CMカットで連続視聴 計約48分】

委員の主な意見(要旨)
  • 「(特番の)加害企業の刑事責任に力点を置き、一歩踏み込んだ番組づくりは、非常に高く評価されるべき」
  • 「非常に丁寧につくられていて、知らないこともたくさんあった」
  • 「ご遺族ならではの拘りなどを丹念に取材。伝え続けることは大切だと、改めて思わされた」
  • 「事故を風化させないという点では、キチッとその目線で取り組めていた」
  • 「(事故原因に関し)通俗的な疑問が残っている。通俗的なレベルの解明があれば、有り難かったのだが」
  • 「(こうした事故では、刑事裁判で組織を罰することが出来ないため)『組織罰』に言及しているが、感情的な部分を排して法律的な側面の整理が出来ていれば、もう少し分かり易かったのでは」
  • 「JR側のコメントや立場が全く出てこない。告発者側の視点で描かれている」(意見多数)
  • 「相手(JR)が見えないと、被害者への共感が人ごとに変わってしまう」
  • 「事故後、JRの体質の何が変わったのか、変わらなかったのか。何らかの形で検証する必要がある」
  • 「司会者やナレーターが感情的に語れば語るほど、見ている方はしらける、という印象があった」
  • 「大事故だけに多様な視点、考え方がある。スッキリした解決を提示するのではなく、モヤモヤしたものを視聴者と共有して、今後も11年、12年と続けて欲しい」