1939

〈5/29 阪神 0-1 ソフトバンク (甲子園)〉

:加治屋
:森
:ドリス

気がつけば9回裏はずっと1塁側ベンチを見てた。
9回表に失った1点を追う。
打順は1番の植田海から。
ネクストには糸原。そして3番は福留。
9回裏、代打の出る幕はないということだ。あるとしても7番の打順のドリスのところ。
つまりはもう、出場しなくてもやむを得ないという前提だった。

ベンチ最前列のラバーのところには、8回裏に代打で出場した隼太が隣に。その反対側にはメッセが、鳥谷を挟むようにして並んだ。
時折、隼太が顔を伏せる。

ゲームは、メッセの素晴らしいピッチングで進んでいった。
ホークスの強打者はメッセのカーブに翻弄され、ゴロの山を築いていった。
メッセは被安打わずか3、無失点。低めに制球されたストレートにも威力があり、今日のメッセを打てるチームは他にもないと思った。
打席ではバントも決めた。やるべきことをやり遂げる、いつもの、いやそれ以上のメッセだった。
チームがこの日、最優先とすべきことは、メッセを勝利投手にすること。そこでの切り札は鳥谷ではなかった、ということだ。
何もおかしくはない。プロ野球の日常にある起用だ。

だがこれは、球史に1939試合という連続試合出場の記録が刻まれた瞬間だ。
なんでこんなにも寂しい気持ちで、ベンチを去る鳥谷の後ろ姿を見送らなければならないのか。
拍手で祝うこともできないのか。

1割打者を使う場面はなかった。それに異論はない。
だが昨日今日の話ではなく、この成績の原因は鳥谷ひとりにあるものなのだろうか。
鳥谷が大切にしたものは、金本監督、かつてあなたも大切にしたものだ。
選手が大切にするものに責任を持て。
選手は皆あなたの言葉を聞いている。その姿勢を見ている。
あなたを信じていいのかを、今、あなたが試されているということを忘れないでほしい。

メッセはマウンドに上がる前から、きっと今日がどういう日かって知ってたんだね。

今日、9回裏途中、鳥谷はバットを振るためにいなくなった。

明日出てきたら、拍手で出迎えたいと思う。
鳥谷、第二章の始まりだ。
新しいタイガースの始まりだ。

[今日のロサリオ]

柳田と鬼ごっこ^^

This entry was posted in コラム. Bookmark the permalink.