第6回 サンテレビボックス席ディレクターの裏側は?④ ~本社ディレクターのお仕事 その2~

『サンテレビボックス席』本社ディレクター(以下、本社D)の重要な仕事の一つに「CMボタンのテイク」というものがあります。株式会社サンテレビジョンは民放テレビ局ですので、放送を維持するためにはスポンサー各社様からの協賛が必要となります。その一つがCMです。
基本的に『サンテレビボックス席』でCMが入るのは攻守交代の間です。3アウトでチェンジになると、現場中継車ディレクターからの指示でCMへと移るのですが、本社Dが写真の「CMボタン」をテイク(押す)するとCMが自動的に始まるのです。

これが非常に気を遣うわけです!もちろんイニングの途中で思いっきりゲームが動いているときにCMボタンをテイクすることなどあり得ませんが、万が一そういうことをすると、とんでもないタイミングでCMが流れてしまいます…。その“うっかり”の可能性を少しでも減らすために、このボタンにはフタがついていて、そのフタを開けないとテイクできないようになっているのです。

通常の中継でのCMへの流れはこのようなかたちです。3アウトになってチェンジというときに、実況アナウンサーの「4回表が終了。2対0でタイガースがリードです。」というコメントを聞いて本社Dがボタンをテイクするという流れです。

ただし!3アウト目のプレーが試合を重要づけるプレーであった場合は、中継車Dのとっさの判断でそのプレーのリプレーを流し、CMへ、という流れになります。また、アナウンサーの方が別のコメントを話して締める場合もありますので、本社Dは中継車Dとの連絡回線や、実況アナウンサーと息を合わせないといけません。

「そんなん簡単なことやん!」
と思われる方も多いと思います。決して難しいことではないですし、もちろんよほどのことがないと間違いは起こりません。ただ、「万が一」があると…と思うとやはり気を遣いますし、緊張感を持って取り組むことは本当に大事なことだと思っています。

第5回にも記しましたとおり、本社Dには中継に載せる字幕スーパーが合っているのかを確認し、放送に載せる、という仕事もあります。打者の成績などは、試合中にも随時更新されていくわけですから、その都度確認が必要となります。視聴者の方々は我々の載せるスーパーを「当然合っているだろう。」という思いでご覧になっていますので、制作側としては当然そのご期待に添ったクオリティのものを提供する必要がありますし、ミスの無いようにしなければいけません。

完璧で当たり前。失敗すればそれが目立つ。ミスを恐れて縮こまってはダメですが、細心の注意を払って今後も中継に取り組みたいと思います。ただ、決して緊張感でピリピリ…というわけでもなく、チャンスでタイガースが打てば「おぉ!」と盛り上がることもあるので、楽しい雰囲気で中継を行っていますよ!

さて、何度か中継を経て、次は実際に球場での中継業務です。次回は「フロアディレクターのお仕事は?」を書かせていただきます。お楽しみに!

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