何と言ったらいいか

03
この日は忘れない

赤星選手が引退・・・。
寝耳に水とはまさにこの事。
一報を聞いて、すぐに会見場へまさに"飛びました"。

表情は複雑に見えました。
やはり、完全燃焼といかなかったからでしょうか。
無念さが見て取れました。

彼の会見を見ながら、思い出したのは2000年12月の入団会見。
有名な「新庄さんの穴は僕が埋めます」発言にまだ初々しい写真用のガッツポーズ。
走馬燈のごとく記憶が蘇りました。

「ビデオ早く見たいなあ」
この年の9月15日、赤星サヨナラ安打、18年ぶりの優勝という一連の流れをサンテレビは放送する事ができました。
それから少し経って、甲子園の通路、私の後ろを歩いていた彼が話しかけてくれた言葉です。「すぐ渡しますね」と即答。当時はDVDではありませんでした。
後日VHSテープを渡した時の子供のような笑顔・・・。

「すみません、ゴルフ行けません!」
大勢の報道陣がいる中で、目が合った私に言った2008年オフ。
恒例の「レッツゴータイガースゴルフ」の収録日とゴールデングラブ賞の表彰式が重なってしまったのです。
受賞の喜び会見でわざわざ謝ってくれて、こちらは恐縮するばかり。
いつもサンテレビの事を気に掛けてくれました。

今だから言えますが、18年ぶりに優勝した2003年。
多忙を極めたオフ、東京の放送局からの番組出演依頼に「先に声をかけてもらったので」と言って断り、「熱血!タイガース党」に出演してくれたこともありました。

「何か縁がありますよね」
これは今年の春聞いた言葉。
2003年9月15日のサヨナラ安打に始まり、
2004年5月15日雨の中でのサヨナラ安打。
2008年10月12日盗塁の球団タイ記録に
今年の4月 日盗塁の球団新記録。
これらのシーンを実況させていただきました。
そして、9月12日のあのダイビングー。
あれも実況は私でした。
密かに、もう一度彼が甲子園球場で躍動する姿を実況するのが夢でした。
そして、復活を遂げたその時、本人に言おうと思っていました、
「やはり縁ありますね」と。
でも、それは叶いませんでした。

「すみませんでした、何も話せなくて」
これも今年の開幕直後。
開幕3連戦明らかに体調は万全ではありませんでした。
私が挨拶しても返事はなく、相当厳しいのかなと。
でも、その直後、甲子園での開幕戦。
グランドに現れた彼が私を見て言った言葉が先のもの。
本当に誰にでも気遣いしてくれる選手でした。

たった9年?と思うくらいファンにも私たち報道陣にも様々な思い出を残してくれた
レッドスター。
今浮かぶのは一言だけです。
「ありがとう」

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