04高校ラグビー取材秘話

報徳には、顔も姿もそっくりの双子がいる。背番号8番・甲斐洋充(兄)と5番・甲斐寛希(弟)。
 いまでも2人を見てよく間違うという西條監督は
「あの二人は仲が悪いのか、意識しているのか、帰りも一緒に帰らないんですよ」
と。そのことを2人に聞いてみると、
「2人で仲よくしているのを周りに見られるのが恥ずかしいので、わざとそっけない感じで振舞っている」
 そう。実は家では、自分たちの試合のビデオを見てアドバイスしあったりする仲という。ライバルでもなく年の違う兄弟とも違う、双子ならではの絆は、2人にしかわからない。
 私も双子なのでその気持ちはよく分かる。

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 3年間怪我なく来た分大きく伸びたという兄に対して、2年生の時U-17の合宿に行くなど能力が高い弟は、怪我に泣かされた。弟は
「怪我をして辛い時も洋充がいたから頑張れた」
という。兄は
「2人で幼稚園の頃からラグビーをやってきたので、年代年代でお世話になった皆さんに、報徳の赤黒ジャージを着て活躍する姿を見てもらいたい。その事で恩返しがしたいんです」
という。

 決勝でも、2人の突破から何度もチャンスを作り、攻守にわたり活躍。勝利に貢献した。
 チームで要のポジションを務める2人が、花園でどんな試合を見せてくれるのか“恩返し”の最高の舞台は整った…。

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 甲南の南屋監督と選手たちは、チームの運営方針をめぐってこれまで何度も話し合ってきた。時にはぶつかった事もあったそうだが、福地主将と樋口マネージャーは
「先生は大人なのに高校生の僕たちの話を真剣に聞いてくれる。ラグビーや僕たちのことを親身になって考えてくれる。だから中学時代も含めて監督と過ごしたこの4年間、最後に優勝して先生の喜ぶ顔が見たい。勝って胴上げしたい」
と少し照れながら話してくれた。

 決勝では勝つことが出来なかったが、あの報徳から24点を奪い、最後まで甲南ラグビーを貫いた姿を、監督はしっかりと目に焼き付けたと思う。
 先発メンバーのうち1,2年生が7人と若いチーム。
 「甲南は粘りがないと言われるのが1番イヤなんです」
と話す南屋監督。32才・青年監督と生徒の二人三脚での挑戦はこれからもつづく…。

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